お知らせ

身近な精神疾患とは

「精神疾患」と聞くと、どこか遠い存在のように感じる方も多いかもしれません。

うつ病や不安障害など精神疾患は決して珍しいものではありません。

実は私たち一人ひとりの身近に存在する、ごくごく一般的なものです。

今回は特に身近に精神疾患であるうつ病と不安障害について、その症状や対処法を分かりやすく紹介していきます。

共通する可能性のある原因は!

セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質のバランスが崩れることが、うつ病や不安障害の発症に関わると考えられています。

家族にうつ病や不安障害の経験がある人は、発症リスクが高まる可能性があります。

大きなストレスや長期間のストレスが、うつ病や不安障害の発症引き金になることがあります。

完璧主義悲観的な考え方、内向的な性格などが、リスクを高める可能性があるのです。

うつ病や不安障害は、決して恥ずかしいことではありません。多くの人が経験する病気です。早期の発見と治療が、回復への近道です。

これらの症状に心当たりのある方は一人で悩まずに、まずは信頼できる人に相談したり、医療機関を受診したりすることが大切です。

二つの大きな疾患

うつ病の主な症状

うつ病は意欲の低下、悲しみ、絶望感などです。

意欲の低下

何をするにもやる気が起きない

悲しみ、絶望感

いつも悲しい、何もかもがになる

不安感

未来に対して不安を感じ、絶望感に襲われる

集中力の低下

仕事や勉強に集中できない

睡眠障害

不眠症過眠症になる

食欲の変化

食欲不振過食になる

身体症状

頭痛けんたい感消化器症状など

△うつ病の対処法

医療機関を受診する

専門医による診断と治療が大切です。

規則正しい生活

睡眠、食事、運動を規則正しく行う。

人間関係

家族や友人とのコミュニケーションを大切にする。

休養

必要であれば休養を取る。

認知行動療法

私たちの思考(認知)と行動が、感情や身体の状態に大きな影響を与えるという考えに基づいています。

呼吸法

深呼吸など、リラックスできる呼吸法を学ぶ。

運動

適度な運動は、ストレス解消に役立ちます。

薬物療法

必要に応じて、医師の指示のもと、薬物療法を行います。

不安障害の種類と症状

不安障害は、過度な不安恐怖を感じ、日常生活に支障をきたす病気です。

パニック障害

突然、激しい不安恐怖に襲われる発作が起こります。

特定の恐怖症

特定の対象物や状況に対して強い恐怖を感じます。

社会不安障害

人前で話すことや、注目されることに対して強い不安を感じます。

強迫性障害

繰り返す考えや行動に駆られ、日常生活に支障をきたします。

△不安障害の対処法

医療機関を受診する

専門医による診断と治療が大切です。

では前にあげた「認知行動療法」とは、一体どんな療法なのでしょうか?

うつ病や不安障害など、様々な精神疾患の治療に効果的な心理療法の一つなのです。

認知行動療法とは?

認知行動療法の考え方

思考が感情や行動に影響を与える

ある出来事をどのように解釈するか(=認知)によって、感情や行動が大きく変わります。

例えば、同じプレゼンテーションでも「失敗するかもしれない」と消極的に考えれば不安になります。積極的な行動ができなくなる可能性があります。

認知のゆがみを修正する

療法はこのような消極的な思考パターン、認知のゆがみとも言います。より現実的で客観的な考え方へと修正することを目指します。

認知行動療法の具体的な手法

認知の再構成

現実と異なる消極的な思考を、より客観的で現実的な思考に置きかえていきます。

行動療法

恐怖心不安を感じる状況に少しずつ慣れていくための行動療法を行います。

例えば、高所恐怖症の人であれば、徐々に高い場所に慣れていくようなトレーニングを行います。

リラクゼーション訓練

呼吸法やイメージトレーニングなど、リラックスできる方法を習得します。

問題解決訓練

困ったことがあった時に、自分で解決できる力をつけます。

認知行動療法の効果

症状の改善

うつ病や不安障害などの症状を軽減し、日常生活の質を向上させます。

再発予防

症状の再発を防ぐ効果もあります。

自己効力感の向上

自分の力で問題解決できるという自信を持つことができます。

効力感も向上させると「うつ病や不安障害などの症状の改善生活の質の向上人間関係の改善 に達するのだそうです。

スキル習得

迷路を抜け出すように、正しい道を見つける練習をします。

「スキル」を習得すれば「自分自身で心の状態をコントロールできるようになる」「ストレスに強くなる」のだそうです。

認知行動療法が有効な精神疾患

うつ病

・幼少期の経験  ぎゃく待やネグレクトなどの幼少期の辛い経験が、うつ病の発症に影響を与える可能性があります。

・慢性的な病気  糖尿病や心臓病などの慢性的な病気を持つ人は、うつ病になりやすい傾向があります。

・ホルモンの変化 女性ホルモンの変動が産後うつなど、特定の時期にうつ病を発症しやすくする可能性があります。

不安障害(パニック障害、特定の恐怖症、社会不安障害など)

学習された恐怖 特定の状況や対象物に対して、過去の経験から恐怖を学習してしまうのです。

過呼吸  パニック発作時によく見られる過呼吸が、不安を増幅させると言われています。

・特定の脳の部位の異常  脳の特定の部位の機能に異常がある可能性が指摘されています。

強迫性障害

摂食障害

気分変調性障害

適応障害

認知行動療法のまとめ

療法は自分の思考や行動を変えることで、精神的な苦しみを軽減し、より良い生活を送るための有効な治療法です。

療法の効果は個人差があります。療法は薬物療法と併用する場合もあります。

療法を行う際は、信頼できる専門家を選びましょう。

認知行動療法を受けるには

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