パワハラについて考える
今、世の中を騒がせているパワハラについて考えてみます。
そもそもパワハラとは、一体何でしょうか?
端的に言うと、職場において職務上の地位や人間関係などの優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的、身体的苦痛を与えることや職場環境を悪化させる行為を指します。
パワハラの中身は具体的には次のようなものです。
・解雇を匂わせるもの・暴力をほのめかすもの・相手を侮辱するもの・容姿や国籍・出自に関する差別的なもの・自由や権利を奪うようなもの・財産を侵害するようなもの・経歴や雇用形態に対する差別的なもの・仕事上の失敗を極端に攻撃するもの・プライベートに立ち入るようなもの・明かされたくないプライバシーを暴露するもの。
では言葉の他、威圧的な態度での発言もパワハラに該当します。声を荒らげる、相手をにらむ、話しながら机といった物などを叩くことです。
・「目標が達成できなければ辞めますと一筆書け」などの脅迫的な言葉をはじめ「新人以下だ」など名誉棄損に該当する発言、「給料泥棒」「寄生虫」などのひどい暴言、「死ねばいいのに」などの相手に対して重大な精神的ダメージを与えるものなどです。
・大勢の前で叱責される・大勢を宛先に入れたメールで暴言を吐くなど他の従業員の面前で中傷される・「役立たず」など人格を否定するような侮辱をされる・性的指向、性自認に関する侮辱的な言動を受ける・必要以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返し行われること・能力を否定されたり、罵倒されたりする内容の電子メール等を、他の働いている人にも宛先に含めた上で送信されること・「こんな簡単なこともできないのか」といったひどい暴言を受けることーパワハラにあたる言葉は、侮辱罪や名誉毀損罪になる可能性があり、刑事告訴の対象にもなります。
従業員の心理的な健康だけでなく、生命に対しても重大な影響を及ぼすことがあります。精神的に受け続けると、最悪の場合は死につながります。
一度、パワハラを受けると、前後でまったく印象が変わってしまいますよね?前は良い人だったのに、どうして?って。そして、その人の顔を凝視できなくなっていきます。
また、モラハラ(モラルハラスメント)という言葉も近年耳にします。パワハラは肉体的な暴力が含まれますが、モラハラは言葉や態度、身振り、文書などで相手に精神的な苦痛や嫌がらせを与えることを意味します。フランスの精神科医マリー=フランス・イルゴイエンヌが提唱した造語で、1998年に著書を出版したことでその考え方が広まりました。
特徴は物理的な暴力行為は伴いません。相手に精神的なダメージをもたらしていきます。本人が苦痛を感じていても外からはわかりづらいため発覚しにくいのです。
一例としては、無視をしたり、暴言を吐いたりします。特段の理由もなく不機嫌な態度を取ったり、人格を否定するような侮辱をします。仕事上での嫌がらせまでも…。
こうしたハラスメントを見ていくと限りがありません。注目度が高まるにつれて増え続け、現在では50種類以上あると言われています。
職場で発生しやすいハラスメントには、次のようなものがあります。パワハラ、モラハラのほか、セクシュアルハラスメント(セクハラ)、マタニティハラスメント(マタハラ)、パタニティハラスメント(パタハラ)ーなどです。パワハラ、マタハラ、セクハラは特に深刻なハラスメントとされており、企業には一定の防止措置を実施することが義務付けられています。嫌な世の中になりましたね!
事業所は、利用者個々の適正な業務の量を把握し、人格を否定したり攻撃してはいけないと思うのです。どのような言い方が利用者にとって効くか傾聴の姿勢を示すことが大事です。それが事業所をあげて一丸となってハラスメントの防止につながっていくのだと思います。利用者を思いやったり、共感したりすることが大切なのです。
皆さんは、どう思い、考え、そして行動するでしょうか。パワハラに代表されるようなハラスメントの被害者になるか、加害者になるかは、皆さんの心の持ちよう次第で変わるんではないでしょうか。