医薬品の新たな仕組み。高くなった自己負担にがく然!
はじめに
12月17日に病院を受診して薬を買ったところ薬価が約2・5倍弱に!
これでは対象となっている自立支援医療を使っても、まったくの無意味ということになります。
国は医療費を削減するということですが、末端の精神疾患の私たちには首を傾げざるを得ません。
これには今年10月から始まった「新たな仕組み」があったようです。
新たな仕組みとは、制度設計上にあります。
患者が先発医薬品(ブランド名医薬品)を希望した場合、後発医薬品(ジェネリック医薬品)との価格差の4分の1を自己負担することになったのです。
精神疾患の治療において、医薬品の選定は非常に重要な要素です。
特にジェネリック医薬品と先発医薬品の選択は、患者の治療効果や経済的負担に大きな影響を与えます。
特に精神疾患の場合、薬の選択が患者の生活の質(QOL)に直結するため、慎重な判断が求められます。
最近、ジェネリック医薬品のある先発医薬品に関する選定療養制度が導入されることが発表されました。
この制度がどのように患者に影響を与えるのか、また薬不足は、どうして起きたのか詳しく見ていきましょう。
精神疾患治療における医薬品選定の重要性
精神疾患の治療において、適切な医薬品を選ぶことは、効果的な治療を行う上で不可欠です。
患者の症状や体質に応じて、どの薬が最も効果的かを判断することが求められます。
精神疾患は、うつ病や統合失調症、不安障害など様々です。
これらの疾患は、適切な治療を受けることで症状の改善が期待できますが、
医薬品の選択が治療の成否を左右することも少なくありません。
特に、長期的な治療が必要な場合、医薬品のコストも重要な要素となります。
極端な話、カネがないと病院にも行きにくくなってきたのではないでしょうか?
ジェネリック医薬品と先発医薬品の違い
ジェネリック医薬品は、先発医薬品の特許が切れた後に製造される医薬品で、成分や効果は先発医薬品と同等です。
一般的にジェネリック医薬品は価格が安く設定されているため、患者の経済的負担を軽減することができます。
患者によっては、先発医薬品の方が安心感があると感じることもあります。
選定療養と副作用
選定療養は、あくまでも患者の希望で先発医薬品を選択する場合に適用される制度です。
ジェネリック医薬品を使用して副作用が出た場合や、医師が医学的に先発医薬品が必要と判断した場合は、
選定療養の対象外となり、保険診療で先発医薬品を使用することができます。
選定療養の概要
選定療養とは、患者が希望する医薬品を選択する際に、
医療機関がその選択に基づいて追加の費用を請求する制度です。
特に、ジェネリック医薬品が存在する先発医薬品を選択した場合、患者はその差額の一部を負担することになります。
この制度は、医療費の適正化を図るために導入されました。
患者の負担とその影響
新制度の導入により、患者の負担がどのように変化するのかは重要なポイントです。
ジェネリック医薬品を選択することで、患者は経済的な負担を軽減できる一方で、
先発医薬品を選ぶ場合は追加の費用が発生します。
このため、患者は自分の経済状況や治療の必要性を考慮しながら、医薬品を選択する必要があります。
医療上の必要性がある場合
ただし、次のような医療上の必要性がある場合は、選定療養の対象外となり、患者の自己負担は発生しません。
・薬事上承認された効能・効果に差異がある場合
・ジェネリック医薬品を使用した際、副作用や治療効果に差異があると判断される場合
・ガイドラインにおいてジェネリック医薬品へ切り替えないことが推奨される場合
・錠剤か糖衣錠などか剤形上の違いにより、長期収載品を処方等の必要がある場合
つまり、医師が医学的に必要と判断した場合は、これまで通り保険診療で先発医薬品を使用することができます。
精神疾患における具体的な例
精神疾患の治療薬にも、ジェネリック医薬品が発売されている先発医薬品が多数存在します。
例えば、抗うつ薬や抗精神病薬などです。
これらの薬において、患者が「以前から服用していて効果を実感しているから、今回も同じ先発医薬品を使いたい」
と希望する場合、医療上の必要性が認められなければ、差額の自己負担が発生する可能性があります。
具体的な費用計算の流れ
新制度における費用計算は、下のような流れで行われます。
まず、先発医薬品とジェネリック医薬品の価格差を確認し、その差額の4分の1を患者が負担する形になります。
具体的な計算方法は、下のフローチャートを参照してください。
例えば、先発医薬品の薬価が1,000円、ジェネリック医薬品の薬価が600円の場合、差額は400円。
その4分の1である100円が患者の自己負担となります。
このフローチャートでは、患者の負担がどのように計算されるかが示されています。
特に、保険適用外の費用や特別料金についても考慮する必要があります。
精神疾患におけるジェネリック医薬品の選定療養制度は、患者にとって経済的な負担を伴います。
精神疾患における薬不足の影響
精神疾患において、薬剤は治療の中心的な役割を果たします。
例えば、抗精神病薬は統合失調症の症状を和らげるために不可欠です。
しかし、薬の供給が不足すると、患者は別の薬に切り替えざるを得なくなります。
このような状況は、しばしば患者の病状を悪化させ、再発のリスクを高めることになります。
特に長期にわたって同じ薬を使用していた患者は、新しい薬の効果が分からず、不安を感じやすくなります。
なぜ薬不足が起こるのか
薬不足の原因は色々です。製造上の問題や原材料の不足、さらには需要の急増などが考えられます。
また最近では、製薬会社が新しい薬の開発に注力するあまり、従来の薬剤の生産が、おろそかにされているという意見もあります。
これにより、患者が必要とする薬が手に入らない状況が続いています。
まとめと今後の展望
今後、患者が自分に合った医薬品を選ぶ際には、経済的な側面をしっかりと考慮することが求められます。
また医療機関や薬局も、患者に対して適切な情報提供を行うことが重要です。
この制度が患者にとってより良い選択肢となるよう、今後の動向に注目していきたいと思います。
薬不足の問題は、精神疾患を抱える患者にとって深刻な影響を及ぼしています。
しかし適切な情報を得て、医師や専門家と協力しながら、最善の治療を受けることが可能です。
私たちは、薬の供給体制の改善を求めると同時に、患者自身ができる対策を講じることが大切です。
これからも、この問題についての認識を深め、患者の声を届けていく必要があります。
【後日談】
諸事情から主治医に一筆書いてもらい、とりあえずは解決しました。
これで次回から堂々と薬局に行けます!
何か、お困りの方は松本市島立のアプリコA型事業所へ。
これらの情報を参考にしました。
厚生労働省 後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について
引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39830.html
信州大学附属病院の考え方
引用:https://wwwhp.md.shinshu-u.ac.jp/outpatient/medicine.php
患者が長期収載品希望した場合に「患者に特別負担」を求める仕組みを2024年10月から導入、
院内処方も対象だが入院患者は対象外—厚労省